慣れない土地での仕事をかけたオーディション。毎回毎回最前を尽くす気持ちで望んでいます。
海外ではキャスティング、キャスティングコールと呼ばれており、その空間では多くのモデルたちが仕事を獲得しようとしのぎを削っています。そんな海外でのオーディション事情のお話をしていこうと思います。
勝負は一瞬、、、っ!
とにかくスピーディーという印象を受けました。ささっと自分の順番がまわってきて、ささっと終わる。待ち時間もあまりなければ見てもらえる時間も一瞬。
日本で受けたオーディションだと会議室みたいな場所で待って、モデルたちが一人一人呼ばれてその間めっちゃ待つ・・・みたいな感じだったのですが、海外のオーディションではそんな感じじゃなかったです。
これはコロナ禍という状況(モデル同士があまり重ならずバラバラに来るよう時間調整されてます)も相まってだと思いますが、勝負は短時間です。
流れ作業的なオーディション
僕の苦手とするオーディションの一つ「流れ作業」。(勝手に名前を付けましたが笑)
恐らく盛り沢山のモデルを呼んでいるのでしょう、一人の持ち時間が圧倒的に少ないオーディションです。
最悪正面の全身写真を撮って終わります。その間10秒ほど。自分の着てきた服のままなのでフィッティングの要素すらありません。
行って帰ってる時間のほうが何百倍もかかります。
とりあえず写真を撮って、後からディレクターなり誰かしらがコンポジットを見て「どの子にしよう、この子にしようか」と選ぶのでしょう。
ここではモデルの素質を見られている感じがします。服やポージングを除いて何も飾らないそのままでどれだけ雰囲気があり、写真に映えるか。
毎回試行錯誤して臨みますが未だこの手のオーディションに受かったことがありません、、、。
これは僕自身の課題として今後も精進していきます。
スチール撮影のようなオーディション
実際に当日着るであろう洋服を着て、白バックや壁の前で仕事さながらポージングを決めて撮影するオーディション。
フロント→45°→サイド→バック→フリーポーズという流れが基本です。
フリーポーズの時が勝負なので存分にアピールします。「こういうのいかがですか?こんな表現もできますよ!!」と頭の中で言いながら一つ一つポージングしていきます、僕は。笑
たまに他のモデルがポージングしてるのを見れたりするので、いいな!と思ったものはどんどん吸収して自分のストックに取り入れてます。
ビデオを使ったオーディション
CMといった映像系の仕事で行われるビデオカメラで撮影するオーディション。
だいたい前日までに送られる絵コンテを元に、当日その演技をするという流れです。
セリフの指示は特にないのですが、「こういう場面でこういう雰囲気のが撮りたい」と言われるとただそれを無言でやっても変なので、僕は積極的に声に出して表現します。
日本語で。笑
まずCMになるときに声は乗らないので、オーディションや撮影の現場では何語喋ってもセーフだと思ってます。
あと相手からすれば何を喋ってるか全く分からないのですが、雰囲気とかパッションは伝わるみたいで、相手に分かるように無理やり下手くそな英語の単語を並べるより僕にはこれが合ってるのだと気付きました。
実際この時のオーディションでめちゃくちゃ大手ブランドのCMにメインとして受かりました!
ビデオといえば最近はコロナというのもあってか、自分自身のスマホで撮影して送るというのが結構あります。
部屋に一人でテンション高く撮影してるのを一度でも俯瞰してイメージしてしまうと恥ずかしくなるので、あまり何も考えずひたすら良いものが撮れるまでトライアンドエラーを繰り返しています。笑
いつ日程が決まるの?海外のオーディション
良くて二日前、普通は前日、最悪当日
とにかく急に連絡がきます。
もうそういうものだと思って今は何とも思わないですが、前日ってなかなか大変ですよね。
当日なんていうケースもありました。夕方4時くらいにマネージャーから
「夜7:30からオーディションいける?」
と連絡がきて、確か一緒に絵コンテも送られてきた気がします。
で、確認して何となくイメージ作って臨みました。
というかほんと急すぎて、正直なところ全然気持ちが追いついてなかったし、「あーーもうゆっくりしようと思ってたのにー」とか考えてたり。
でもそれが良かったのか、全く緊張することなくなんなら自然体で演技することができ見事そのオーディションは合格。
SamsungのCMでメインを務めました!それが前述した「日本語でパッションを伝える」のビデオオーディションだったのです。
海外のオーディション、会場までは一人で・・・
見知らぬ場所、掴んでいない土地勘。
そのような場所でもオーディション、はたまたフィッティングや仕事も基本的に一人で行きます。
ですが全部の外国人モデルがそういうことではなく、大手エージェンシーの人たちであれば車での送迎や通訳、もう全てをやってもらってるというVIP待遇だったりします。羨ましいです。
そんな海外のオーディション事情でやらかした、失敗談があります。
失敗談「やんわり怒られた話」
オーディションの会場はマネージャーから場所の住所だけが送られてきて、何号室とかの詳細は分からない場合があります。
そんな時はそれっぽいモデルたちの群れを見つけるかブランド名から部屋を見つけ出すか、マネージャーに連絡するか・・・という具合です。
で、その時の会場は大きなビジネスビルだったのですがブランド名が分かっていたので、そのまま受付を通ってその階まで行きました。
入館カードがいるようなビルだったので受付でめっちゃくちゃややこしいやり取りがあって、何とか内線でブランド側の人と英語で話して「どうぞ入ってください」と許可が出て何とか入ることができました。
ブランドのエントランスに入っても、オーディションを把握している人がおらず、僕も相手も「?」って感じ。で、それも何とかオーディションをやってる部屋を見つけてもらって案内していただき、僕のオーディションが始まりました。
ブランドの服に着替えシューティングが終わったタイミング、廊下を見るとたくさんの外国人モデルが並んでいました。
「ええよなVIP待遇は〜。こっちは何とか入れたんやでほんま〜」とか思ってると、そこにはキャスティング会社らしき人が。
僕に向かって
「あー!Takeshi!ここにおったん!!」みたいになり
「えっ?」と思っていると、
「ずっとビルのエントランスで君を待ってたんだよ!!こういうのはキャスティングの人間と一緒に行くから。次からはお願いね!!」
的なことを言われパニック。
どうやら普通はキャスティング会社の人(名簿で今日来るモデルたちを管理している)がいてて、その人とモデルたちが合流して会場に入る
みたいな感じだったらしいです。
それまではブランドのエントランスに直接入ったり、全部一人でやってたのでそういうことは全く知らずめちゃくちゃ迷惑かけたという話。
海外でメンズモデルとして活動していて、感じたことや伝えていきたいことを備忘録的感覚で発信しています。
・Instagram
@t_t_k_k_s_s
ライター・ファッションモデル。学生時代のアルバイトでファッションの世界へ。大手セレクトショップの販売員、ECスタッフを経験後、長年携わったアパレル業界の経験を活かしWEBライターに。数々のファッションマガジンサイトで執筆を行い、メンズ・レディース問わずおしゃれを発信しています。また現在はモデルとして、更なるファッション知識を探求中!
コメント