2019年12月にヨーロッパへと足を運んでいました。旅行?留学?違います。その理由はだた一つ「ヨーロッパでのモデルエージェンシー探し」というものでした。
弾丸6泊8日、たった一人の孤独な戦いが始まります、、、っ!
ヨーロッパへ行く目的
モデルエージェンシーに所属するための訪問ですが、本来の目的はその先にあります。
パリファッションウィーク・ミラノファッションウィークです。
これらコレクションに出るためには基本的に現地それぞれのモデルエージェンシーが必要になります。
オーディション・キャスティングに参加するためです。所属モデルにその情報が届き、初めて挑戦権が獲得できるのです。
僕が今からしようとしているのはその挑戦券を受け取る前の状態。モデルエージェンシー探しです。
これもなかなか一筋縄では行かず、失敗するのが当たり前。
所属までに数年単位かかることもざらにあり、困難の道を極めています。
だからこそそこにはロマンや本当にやりたいことがあり、モデルたちはそれらに向かうべく何度も自分磨きあげ挑戦するのです。
旅立つ前にした準備
パリ・ミラノ用のコンポジットの作成、Book用の作品撮りといろいろありますが、ここではメールでのアポイントメントを掘り下げていきます。
各モデルエージェンシーへのアポイントメント取り
日本にいるときの準備として、ヨーロッパのモデルエージェンシーへのアポイントメント取りは重要となってきます。
「12月○日〜○日まで○○にいます。一度お伺いさせていただいてもよろしいでしょうか。」
このような文面とともに自分のプロフィール、写真やコンポジットを添付してメールを送るのです。
というのもヨーロッパのモデルエージェンシー(特にパリ)は本当に敷居が高く、実際にエントランスにいたとしても門前払いが当たり前。
「おっ!」と相手がならない限りこちらのコンポジットすら受け取ってくれない、Bookも見てくれない。そんな世界です。
ですが、あらかじめアポイントメントが取れれば話は別。「○○さんに会いたいのですが」といえば簡単に通してくれます。
ここで問題なのがそのアポイントメント取りの連絡すら返信がないことが当たり前だということ。
もし運良く返信があればラッキー、なければもう直接訪問するしかないといった感じです。
僕は奇跡的にパリ・ミラノのモデルエージェンシーから一社ずつ、返信がありアポイントメントを取ることができました!
これは非常に稀な例らしく、行く前から気持ちが高揚していたのを覚えています。
ヨーロッパへ向けいざ出発!
12/8
成田空港から出発。一度中国でトランジットしました。
そしてイタリアのマルペンサ空港に到着。ここでもトランジットして、フランスのシャルルドゴール空港へ。
今思うとほんと謎です。パリのモデルエージェンシーをまわってから、ミラノへ行くというスケジュール。
ならなぜ一度イタリアでトランジットする必要があったのか。そのままミラノへ行ってまわったほうが効率よかったんじゃないか、、、と。
まあ後の祭りすぎますが。笑
待ち受ける困難
無事シャルルドゴール空港へ到着し、パリへ向かうぞーっと思った矢先。何やら怪しい人混みが。
どうやら僕が行った時期にちょうど鉄道会社スタッフによるストライキが起こっているらしく。電車がストップ。
本来電車を使い簡単にパリ市内までいけるはずが、バスで行かなくてはならなくなりました。
空港がやたら広いためバス乗り場の場所が分からず何度も職員に聞いたり、チケットを買うのにも一苦労。幸先悪すぎます。
パリへ到着
やっとの思いでパリへ。疲れも一瞬で吹っ飛ぶような圧巻な街並み。
ここからホテルへ直行と行きたいところですが、電車は動いていません。市バスの乗り方も知りません。タクシーは正直怖いです。
で、歩きました。久しぶりのパリは新鮮で、途中食べ歩きしながら観光感覚でひたすら歩き続けました。
今調べてみると到着したバス停からホテルまでの距離は4.1km。たぶん1時間以上は歩いていたと思います。
パリのモデルエージェンシー巡り1日目
12/9
昂る気持ちとともにパリで唯一アポイントメントが取れていたBananas modelsへ。ここは何人か有名なアジア人も所属していて、まさに自分の第一志望のモデルエージェンシーでした。
おそらく周辺に到着したのですが、場所が分からない。大きな看板が出ているわけでもなく、アパートのような建物が軒を連ねているだけ。
その辺りの道でウロウロしていると、ある女性が
「あなたモデル?Bananas models探してるの?」
と声をかけてくれました。どうやらそこで働いてる人だったらしく、アポイントメントを取っている旨を伝えると担当の人を呼んできてくれました。
オーディション
用紙に名前や国籍、自分のサイズを記入。
それからカメラで簡単に全身やバストアップの写真を撮りました。
「チームで話し合って、それから連絡するわ」
といわれ終了。
さささーっと一瞬で終わった所属をかけたオーディション。気が付いたら終わっていました。笑
とりあえず連絡を待ちます。
他のモデルエージェンシーにアポ無しで突撃
これだけでは終わりません。ここから厳しいアポ無しでのモデルエージェンシー訪問になります。
前述した、門前払いが当たり前というのことを頭に入れつつ、何があっても折れない気持ちで挑みます。笑
The face models
たしかBananas modelsのあとここへ向かったと思います。
扉をノックして、軽く挨拶。
半ば無理やり入ってコンポジットとBookを渡して
「僕のBookを見てください」
やることはこれだけです。笑
もうほんと突撃。でダメな場合は大概ここで断られます。何かと理由を付けられて。
「アポは取ってる?」「今は募集してない」「ん〜、身長何センチ?」とか、、、。
でも少しでも見込みがある場合はきちんとBookに目を通してくれます。
で、ここではコンポジットを受け取ってくれました!
これは一番重要なこと。目標が所属であるならばその一つ前の段階まで来ています。
コンポジットカードというものには自分のプロフィールや写真、連絡先まで記載しています。
だからのちほど連絡がくる可能性があるのです。
このコンポジットすら受け取ってくれないということは、向こうは連絡する術が無いので「確実に落ちた」ということになります。
この日、目星のモデルエージェンシーをいくつかまわりました。
それらの結果は惨敗。普通にショックで、エッフェル塔を見てホテルへ戻りました。
パリのモデルエージェンシー巡り2日目
12/10
こちらでは電動のシェアキックボードが交通手段の一つを担っています。
徒歩での疲れが溜まっていたので、キックボードで移動。電動シェアサイクルもありますが、キックボードは珍しかったのでずっとそっちに乗っていました。
ボコボコにされました
1日目のように上手くはいかず門前払い、コンポジットを受け取ってくれないという事態に。
なかなかメンタルがえぐられます。
「えっっ、自分ってそんなにあかんの?!」
という気持ちが頭の中をグルグル。一回一回切り替えていくのが理想ですが、そうはいかないのが人間ですよね。
何より一番のダメージだったのが、昨日いったBananas modelsからのお断りメール。
合否の結果が出るまではそこを気持ちの拠り所として踏ん張れましたが、
落ちた。望みがなくなったというのが明確に分かったことでメンタル面のパフォーマンスは大幅に下がったと思います。
ミラノにアポがある!
ですが今回はパリのモデルエージェンシーまわりだけではありません。ミラノにも行く。
こう思うだけで少し気が楽にはなりました。
それにコンポジットを受け取ってもらったモデルエージェンシーもあるので、そこの結果はまだ分かりません。
いざミラノへ!
12/11
たった3日だけの滞在でパリを後にします。
ボーヴェ・ティレ空港へのシャトルバス乗り場までUberを使って向かいます。
そして僕自身初イタリア!
オーリオ・アル・セーリオ空港へと出発します。
海外でメンズモデルとして活動していて、感じたことや伝えていきたいことを備忘録的感覚で発信しています。
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@t_t_k_k_s_s
ライター・ファッションモデル。学生時代のアルバイトでファッションの世界へ。大手セレクトショップの販売員、ECスタッフを経験後、長年携わったアパレル業界の経験を活かしWEBライターに。数々のファッションマガジンサイトで執筆を行い、メンズ・レディース問わずおしゃれを発信しています。また現在はモデルとして、更なるファッション知識を探求中!
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